本当の福祉とは……パンクした電動車椅子2007 / 12 / 23 ( Sun )
社会福祉課。
市区町村の社会福祉課。 そして、電動車椅子を扱う業者に問う。 寒い冬の朝。 目覚めると、家の靴という靴が全てなくなっていたとしたら、 あなたはどうしますか? 隣近所、誰も、あなたが履ける靴をもってはいない。 冷たいコンクリートの上を裸足で歩きたくはない。 新しい靴を買おう。 きっとあなたは、そう考えるだろう。 だが街には靴屋が1軒しかない。 靴は全てがオーダーメイド。 しかも、電話でしか注文を受け付けていない。 慌てて電話をかける。 先ずは、発注書と見積もりが必要らしい。 靴一足にだ。 しかも、この忙しい年末年始。 納品は早くても2週間はかかるという。 そう言われたら、あなたはどうするのだろう? さあ2週間、裸足で生活をしなければならなくなった。 家の中ならまだしも、外出も裸足。 初詣、新年会、仕事始め。 電車に乗れば、足をヒールで踏まれるだろう。 恥ずかしい。冷たい。ケガをする。 それが嫌なら、ずっと家にいるしかない。 どこにも出かけられない。 予定も全てキャンセル? 普段、自由に歩きまわれる、あなた方にとって 荒唐無稽な話にしか思わないようなことが、 現実に、ある一人の女性の身の上におきている。 ある一人の女性。 彼女は仮死状態で生まれ、脳に障害がのこり、重度の脳性まひになった。 右半身不随。 電動車椅子が移動手段。 そのタイヤが、昨日、パンクしたそうだ。 終業間近の区役所に、ようやく滑り込んだ。 車椅子修理のための申請書を提出する。 その後、自ら業者に連絡し見積もりを依頼。 あいにくの3連休。 業者からの連絡は連休明けらしい。 しかも年末年始のため、修理は来年になりそうだと。 たしかに自転車とは違うかもしれない。 だが、たかがパンクの修理である。 いったい、どれだけの過程が必要なのだ! 彼女にとっては大切な移動手段なのだ! 彼女のブログには、 何も悪いことしてないのに、しばらく、外出禁止状態な私です。 早くなおしに来てください、業者様。そう祈るばかりです。 と書かれていた。 あなたの大切な人、 娘、奥さん、彼女が同じような状況になった場合、 はたして「仕方ない」で済ませられるのだろうか。 何とかしようとするに違いない。 ひょっとしたら、お役所の常套手段、 「裏でこっそり」を使って。 結局は他人事なのだ。 やはり、どこまでいっても所詮は、お役所仕事なのだ。 唯一の移動手段を失われることの切実さを君達はわかっていない。 それによる心の痛みをわかっていない。 業者にしてもしかりだ。 入札で大口を掴んだ。 とにかく役所にいい顔をして売れば儲かる。 売ってしまえばいい。 メンテナンスやアフターフォローなんて たいした儲けにならない。 それで良いのだろうか。 このブログを読んだ市区町村の社会福祉課や 電動車椅子を扱う業者のなかに ひとりでも、人の心をもった人物がいるのなら。 また、2週間近く移動手段を奪われてしまった辛さが分かり 即、対処できるような人物がいるのなら、 休日であろうが年末年始であろうが関係ない、 ただちに彼女の元へ行き、 パンクを直すべきではないか。 それでもまだ、公務員だからとか管轄外だからとか、 見積もりが休日がというのなら その仕事、さつさと辞めてしまうべきだ。 なぜなら、それは本当の生きた福祉ではないから。 市民にとって必要ない人物だから。 決して福祉なんて偉そうに口にしないでくれ。 久しぶりに、憤りで震えがきた。 名実伴わない日本の福祉。 いつまで福祉発展途上国、日本。 |
船乗り2007 / 12 / 18 ( Tue )
軍神といわれた海軍さんが身内にいる。
唱になった、神田に銅像があった。 ロシア留学中に恋をした。 そんな、錆ついてしまったような話を、 もの心ついた頃から、自分の意思とは関係なく聞かされる。 育ったのは、瀬戸内海に面した街。 海は、あたりまえのようにそこにある。 少年に 海で仕事をしたい 外洋に出てみたいと錯覚させるには 充分の環境だった。 * しまなみ街道の、ほぼ中間。 瀬戸内の海に浮かぶ小さな島、弓削(ゆげ)島。 その島に、国立弓削商船高等専門学校がある。 5年全寮制。 当時は航海科と機械科の2コースしかなく、 卒業後の進路は、外洋船舶の船員、または機関士など。 卒業研修は、現在、横浜の「みなとみらい」に碇をおろしている 帆船「日本丸」か、その姉妹船「海王丸」での外洋実習。 なんといっても、これに憧れた。 しかも親元を離れられる。 一石二鳥。 問題は、当の受験生。 なにしろ勉強嫌い。 憧れだけでは、とうてい合格できない。 私学、地元の公立、そして国立の商船学校(航海科)、3校の受験を志望した。 自分の狙いは、もちろん商船学校。 夢は外国航路の船長さん。 親は地元の公立高校を希望。 はなっから、国立なんて受かると思ってやしない。 そこまで言うなら受けさせてやるか程度。 最終的な三者面談での席のこと。 「私学は大丈夫ですが、公立と国立は無理でしょう」 バッサリと一刀両断。 「公立はランクを下げて、国立はやめた方が……」 失望と怒りの母親。 さすがに危機感を抱く自分。 このままでは、あと3年間は親元だよ……。 一念発起! やるしかない。 そして元来の、当たって砕けろ主義。 志望校変更なしでの受験に挑んだ。 浪人覚悟。 結果は、3校すべて合格。 人生の運をかなり使ったものだ。 だが、ここからが本当の試練。 すでに外国航路の船長になった気分でいる自分。 是が非でも地元の高校に通わせようとする親と身内。 意外なことに中学校が味方についた。 そりゃ、まぐれとはいえ、できた商船学校とのパイプ。 大切にしようとするのは、当然のこと。 商船学校からも、ぜひ来て欲しいとの打診。 今後の受験生への影響もあるから中学としても必死だ。 だが、肝心の費用を支払うのは親。 そんなに船乗りになりたいのなら、 神戸か東京の商船大学に進学すればいい、ときた。 わかっていない。 息子の実力を。 ほとんど運だけで受かったことを。 悲しいかな、養われている身分。 結局、地元の公立に通うこととなった。 高校3年間。 ただただ早く、親元を学校を抜け出したかった。 教師からは何も教わらなかった。 いや、教わったな。 反面教師。 思い出そうとしても、どの教師の顔も言葉も浮かんではこない。 微かに残るのは、殴られた数々の記憶と侮蔑の表情くらい。 でも友人達だけには恵まれた。 もちろん学校のお荷物連中だけど。 授業と教師抜きなら、喜んで高校時代に戻る。 でも、これでは学校じゃない……。 まぁ当時も似たようなものだが。 なにしろ多感な時期。 ひとつの衝撃的な出逢いが人生を変えてしまった。 進学校決定の際、商船学校を選択していたら、 このブログも 「船長さんの航海日誌〜おもしろ見聞録」 などというタイトルになっていたのかも。 う〜ん、いいんだか悪いんだか……。 もちろん、筆を持つこともなかっただろう。 乗りたかったなぁ、日本丸。 見るたびに切なく淡い思い。 * 9月27日の日記「友あり、オーストラリアから来る」に登場した、 日本人の奥さんが、実は、弓削島の出身。 オーストラリアの海で逢ったときには、お互い本当に驚きました。 俳優の北村○輝氏が 「国立弓削商船高等専門学校」卒業と知ったときも驚いたけど(笑)。 * 最初に登場した「軍神といわれた海軍さん」が気になる方は、 司馬遼太郎氏の小説をお読みください。 「ある運命について」中央公論社、そのなかの「文学としての登場」。 「坂の上の雲」文春文庫。 いずれも文庫です。 ▲よろしかったら、1日1回の、ひと押しお願いします。 今後の創作の励みにさせていただきます! |
ハネさん2007 / 12 / 13 ( Thu )
こんな夜中に、いや早朝に。 仕事を終えて、一息つくとき、 どうしても読みたくなるブログがある。 あまりにも良すぎて、 コメントすることすら、はばかれる。 ハネさんの「エッセー」。 素朴なブログ。 素朴ゆえに、かえって沁みる。 素朴ゆえに、深い。 素朴がゆえに、なんともいえない気持ちになる。 ハネさん。 秋田在住、58歳。 察するに、働いていらっしゃるのは温泉場。 飾らない人柄。 飾らない言葉。 時折みせる、色香や哀愁。 朴とつな語り口調からは その風景までもが 読んでいる心に浮かびあがる。 あたかも自分がそこにいるかのような錯覚。 あたたかい。 こんな人生いいねぇ。 こんなふうに年を重ねられたらいいなぁ。 そんなふうに思えてくる。 いいんだよねぇ。 とにかく、いいんだよねぇ。 自分にとっては、かっこいい人生の先輩なんだよなぁ。 自分の拙い文章力じゃぁ、 悔しいけど、こんな拙い表現しかできない。 ハネさんの「エッセー」 http://blog.goo.ne.jp/1z3xc7v ↑アドレスをクリックすると別ウインドウで開きます。 ハネさん。 勝手に紹介させていただくようになりました。 若輩者が勝手で生意気なことも書かせていただきました。 どうかご容赦ください。 自分も好きです。 「太陽がまぶしかったから」。 ▲よろしかったら、1日1回の、ひと押しお願いします。 今後の創作の励みにさせていただきます! |
最期の晩餐2007 / 12 / 04 ( Tue )
どこでどんな死に方をしようがかまわない。
墓もいらない、戒名などもってのほか。 散骨、風葬が理想。 海の藻屑、土に還る、風に舞い飛ぶ。 いずれにしても、痕跡もなく自然に還る。 それをよしとする人間が、最期の晩餐を考えるのも妙な話。 希望する最期の晩餐を摂れる時点で、意外と元気。 病死の可能性は相当低い。 メニューは、いたってシンプル。 小振りのどんぶりに半分ほど、あたたかい白飯をもる。 そこに熱いほうじ茶を注ぐ。 飯が泳ぐほどに。 さらさらと喉に流れ込む、ほうじ茶の茶漬け。 それに、お漬物。 これ究極の一品。 いや、自分にとっては、逸品。 わがままを聞いてもらえるのなら、 お漬物は盛り合わせを希望。 みぶ菜、すぐき、白菜の古漬け。 胡瓜と茄子の糠漬、ほか少々。 シンプルにして贅沢。 あの日、彼は最後に何を口にしたのだろう。 もうすぐ亡父の命日。 ▲よろしかったら、1日1回の、ひと押しお願いします。 今後の創作の励みにさせていただきます! |


